目次
アラサー女子は悩みの見本市?
- 最近、ちょっと頑張るとすぐ体調を崩す
- 20代の頃のように、オール(って死語かな)ができない
- お肌の調子もいまひとつで、前より「劣化」した気がする。ほうれい線、頬のたるみ、目元のシワ。芸能人なんて、どれほど美人でも「劣化」だの「激太り」だの騒がれるのに、私なんてもっと深刻なんですけど
- 昔は一段飛ばしで上がっていた階段を、サクサク登るのがしんどくなった
- 仕事ではそこそこの業務を任せられるようになったけど、まだ中堅どころ。ストレスが半端ない
- バリキャリを目指すには、ちょっと気後れする
- そうこうしているうちに、周りの女性が次々に結婚や出産を経験していく。めぼしい相手もいない私の将来は、一体どうなるんだろう
- 結婚したらしたで、子育ての悩みは尽きないだろうし
- 教育費もかかりそう
- ぜんぶ乗り越えても、今度は老後資金に2000万円も必要って……人生無理ゲーじゃないですか?
アラサー世代の悩みは尽きない
20代後半から30代前半、いわゆるアラサー世代が経験しそうな悩みを、ざっと書き出してみた。アラサー独身女性向けのネットメディアには、こういう「悩みあるある」が嫌というほど溢れている。
かくいう私も32歳なので、「分かるわあ」とうなずいたり、「不安なんだよね~」とテンション低めに共感したりする。
そしてそのどこにも、解決策は書いていない。書いてあったとしても、すでに成功している起業家女性の「ありがたいお言葉」だったり、作家センセイの精神論だったり。
いったい、あなた方はその位置にたどり着くまでに何人の屍を超えてきたんですか?その高い位置から届く言葉は、今の私にうまいこと刺さらない。落ち込んでいるときは何を読んでもダメだから。ネガティブスパイラルで、地獄の釜のフタが開く。
アラサー女子の悩みの原点
ところが先日、私は気づいてしまった。
アラサーの私が今悩んでいることって、「20代前半からずーーーっとモヤモヤしていたこと」なんですよ。
ぜんぶ、地続きなんです。だったら「悩み」と「年齢」を無理やりくっつけても、解決策など出てくるはずもない。誰だって、いつかは年を取るのだから。
じゃあどうすればいいの?というのが本コラムのおおまかな内容です。
以下、具体的にほぐしていきますので、ちょっとだけお付き合いください。読んだあとにはきっと、あなたなりの「悩みへの向き合い方」ができていると思います。
体調を崩すのは「力の抜きどころが分からない」から
たとえば(1)ちょっと頑張ると、すぐ体調を崩す。
これ、加齢のせいだと思っていましたが、よく考えてみたら違いました。若い頃をふりかえれば、高校時代は部活と勉強で休みがなかったし、毎日起きるのがツラかった。
唯一の休日、日曜日は今と同じで死んだように寝ていたし、定期テストの前はプレッシャーから常に胃痛。
大学受験の前には、原因不明の熱で医者にかかったこともある。私は、ストレスにめっぽう弱かったのだ。その後も20代は摂食障害を中心に、うつだの適応障害だの色んな病気で医者にかかった。精神状態もずっと不安定だったろう。それに比べれば、アラサーの今はまだマシだ。
だいたい、今の日本社会で一生懸命働こうと思ったら、体のひとつやふたつ壊すのは「当たり前」なのである。
みんな無理して働いて、心や体をすり減らしている。それが大問題なのだけど……。頑張らなきゃ!と自分を追い詰めた結果、心身がボロボロになっていく。決して「年齢による衰え」だけが原因じゃない。
そもそも長時間労働や、会社に尽くすのが美徳とされる社会の側に原因があったのだ。責任転嫁?いや違う。この社会で頑張りすぎる人間は、いつか壊れてしまう。そうなる前に、体が「体調不良」というサインでアラートを鳴らしているのだ。
その音を若い頃は無視してきたけど、30代のこれからはもっと、慎重に聴けばいい。「あなた頑張りすぎだよ」って言ってくれる友人がいてくれたら、もっと嬉しい。
外見コンプレックスが深まる時期?
30代になると、20代前半の頃より頬がたるんだり、目元のシワが気になったりする。ボディラインも崩れ始める。これは加齢による変化だが、私は若い頃からずっと外見を気にしていた。
23歳のとき、目の下のクマが気になって仕方がなく、ツイッターで全世界にコンプレックスを吐き出していたのを今でも覚えている。「目の下のクマ消したい。このクマさえなければ普通の顔になれるのに」。クマを消すのに、一体いくらの金額をコンシーラーにつぎ込んだことか。
とにかく私は、外見コンプレックスに悩まされてきた。21歳の頃は過激なダイエットから拒食症になった。ダイエットを頑張りすぎるクセは、アラサーの今も続いている。ああほらまた“地続き”だ。
私の外見コンプレックスは、20代の頃からずっと続いている。そのたびに、良さそうな化粧品を探したり、美容整形をしたり、さまざまに試行錯誤してきた。
外見をめぐって試行錯誤するのは私の場合、年齢に関係なく「女」としてやっているんだと思う。「女」らしくなりたいから、女でいたいから、外見にこだわってしまうんだ。
美容整形をしてわかったこと
あれは28歳の頃。諸説あろうが、女性がもっとも美しいはずの時期に、私はもっとも老けていた。仕事のしすぎと結婚生活のストレスで、一気に老化が進んだからだ。
ガリガリに痩せて肌のハリは失われ、血色は悪く、目の下には垂れ下がった脂肪が溜まって老婆のようだった。
そんな自分がイヤで仕方なく、たくさんの美容整形をした。目の下のクマを取り、頬に糸を入れ、レーザーでシミを消した。脂肪吸引と筋トレで、垂れ下がったボディラインを改善した。
ぜんぶ、自分のコンプレックス=内面と向き合う作業だったと思う。色々やった結果、私はいま自分の肌に満足している。外見を異常に気にし、コンプレックスにさいなまれてしまうのは、私の根深い闇のひとつだ。
年齢に関係なく「私の外見、まあこんなものか」と受け入れている人はたくさんいる。でも私にはそれができない。30代になった今、それがようやくわかったのだ。アラサーの今も、アラフォーになってからも、これは続くと思う。絶望的観測。
コンプレックスと向き合うために、私はお金を稼いでいるのかもしれない。バカだと思うが、これがもともと持っていた性質なのだろう。最近ではパーソナルジムに通って、ヒップアップと二の腕の筋トレをやっている。週に一度、グルタチオン点滴を打ち、全身の美白とデトックスも欠かさない。
体の「劣化」を気にしない人もいると思うが、私は過剰に気にしてしまう。それが自分という人間なのだから仕方がない。こうなったら徹底的に翻弄されてやろうじゃないか。
コンプレックスと向き合うのは、自分の深い内面と向き合うことだと悟った。30代にならなきゃ、わからなかった。開き直ったのかもしれない。
結婚や出産に焦る気持ちについて
最後に、アラサー世代の悩みでよく挙げられるのが「結婚」と「出産」だ。これに関しては拙著『王子様はどこへ消えた?』(青春出版)でも書いたのですが、今、男女ともに「一生に一度も結婚しない人」がどんどん増えている。

50歳の時点で一度も結婚したことのない人の割合(生涯未婚率)は1985年まで、男女ともに5%未満だったから、30年前はほぼ全員が結婚していたんですよね。
でも平成の不況下で、男性の年収が下がり、女性が高学歴化し、価値観が多様化するなどまあ色々な理由から、2015年には男性23%、女性14%にまで上昇している。
今や男性の4人に1人、女性の7人に1人は、50歳になるまで一回も結婚したことがない時代なんです。
特に東京に住む女性の未婚率は、地方より10ポイントくらい高いので、これからはどんどん都心に独身女性が集まって「独身村」を作るようなことになるんじゃないかと思う。
今はまだ、「全員が結婚していた時代」の記憶が濃厚だから、みんなが「結婚しなくちゃ」と思わされているふしがあります。でも、そのうち独身の方がマジョリティになっていく。
だから婚活よりも就活を頑張ってお金を貯めるとか、コミュニケーション力を身につけて友達を増やしておくとか、一人で生きていけるスキルを身につける方がライフハックとしては正しい気がします。
結婚相手だけに依存するんじゃなくて、友人や仕事、親でもいいから色んなコミュニティに依存して、依存先を増やすことで自立するほうが、これからの時代に合っていると思う。

男性に依存しても良いことなんて1つもなかった
同世代の友達のなかには、結婚したいと焦っている子もたくさんいる。私だって最初の結婚のときは、なんとなくでも「結婚したい」と思っていたから、その気持はよく分かる。でも、夫に依存したってなんにも良いことなんてありませんでした。
だから結婚相手だけじゃなく、色んな人にちょっとずつ依存して、ちょっとずつ助けてもらいながら生きる方が、自分には合っていると今は思う。結婚制度の中に入ることで安心できると思っている人もいるだろうけど、したらしたで大変なことは山程あるし、悩みは尽きないだろう。素晴らしいことだけじゃない、というのは別に、独身でも既婚者でも変わらないと思うんですよね。
だったら無理に結婚制度に対して、自分を当てはめなくてもいいんじゃないかなと私は思う。結婚も結局は、「自分がどういう人生を送りたいか」深く考えるきっかけにするしかない。それを考えずに、ただ「周りもしているから」というだけでやる婚活は、占い師に人生相談をするようなものだ。結局、自分で決めていない。
悩むことは、生きているということ
30代も半ばになってわかってきたのは、人生についてある程度しっかり考えないと、結婚も仕事も上手くいかないということだ。
「アラサーの悩みあるあるベスト10」を並べてみたけれど、結局どれも20代の頃から引き継いだ性(さが)が年齢と共にあらわになっただけで、年齢のせいにしているうちは解決しない。
自分と向き合うことでしか人生は進まないし、そもそも「解決しなくたっていい悩み」だってあるだろう。悩んでいる瞬間そのものが、生きていることそれ自体なのだから。そんなことに、ようやく気がついた32歳の夏。30代は、まだまだ長い。
