「結婚ってする意味あるの?」
「みんな何でわざわざ結婚するの?」
「結婚したらどんなメリットがあるの?」
最近は、そんな根本的な疑問をもつ人も多いと思います。
今は独身でも、それほど肩身の狭い思いをせずに生きられる時代。しかし、結婚することでしか得られないメリットはもちろんあるのです。
この記事では、人が結婚したいと思う本当の理由を、国立社会保障・人口問題研究所が行なった信頼できる調査結果をもとにご紹介していきます!
目次
男性が考える、結婚する理由・利点・メリット
今回参考にしたのは、国立社会保障・人口問題研究所が2015年に行なった「第15回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要」です。
その中に、「未婚者の結婚の利点に対する考え」という項目があります。まず、「結婚に利点あり」と回答した人の割合は、男性では64.3%でした。第9回の調査(1987年)時に比べると減少してはいますが、この約30年間、60%台で推移しています。
※画像引用元:第15回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要
男性が挙げた結婚の利点は、多い順に以下のようになりました。
1位 | 子供や家族をもてる(35.8%) |
---|---|
2位 | 精神の安らぎの場が得られる(31.1%) |
3位 | 親や周囲の期待に応えられる(15.9%) |
4位 | 愛情を感じている人と暮らせる(13.3%) |
5位 | 社会的信用や対等な関係が得られる(12.2%) |
6位 | 経済的に余裕がもてる(5.9%) |
7位 | 生活上便利になる(4.6%) |
8位 | 親から独立できる(4.0%) |
9位 | 性的な充足が得られる(1.6%) |
※2つまで回答可
結婚のメリット第1位は「子供や家族をもてる」
1位は「子供や家族をもてる」という回答です。この調査は5年ごとに実施されていますが、「子供や家族をもてる」と回答する男性の割合は回を追うごとに増加傾向にあります。
※画像引用元:第15回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要
やはり「自分の家族をもてる」ということを、結婚する最大のメリットと考える男性が多いようです。特に子供は、女性と違って男性の場合、結婚しないと普通は得られませんから、結婚する大きな意味だといえるでしょう。
2位は「精神的な安らぎの場が得られる」
第2位は「精神的な安らぎの場が得られる」です。1位の「子供や家族をもてる」と並んで、群を抜いて多い回答となっています。
各年の推移を表したグラフを見ますと、やや減少傾向にあるものの、以前から変わらず多くの男性が結婚のメリットとして挙げていることがわかります。
やはり、家庭に安らぎを求める男性が多いということですね。
「社会的な信用を得られる」は減少傾向。「親の期待に応えられる」は増加傾向に
各年の推移を見ますと、ここ数年で増加しているのは「親や周囲の期待に応えられる」という回答です。
実際、最近は男性も晩婚化が進んでいるため、本人以上にあせってしまう親が増えています。中には、本人に代わって親が結婚相談所に駆け込むケースも多いといわれますので、そんな親からの期待に応えられることをメリットと感じる男性が増えているのかもしれません。
一方、「社会的信用や対等な関係が得られる」という回答は、ここ30年近くの間で明らかに減少しています。ひと昔前までは、「結婚しないと一人前じゃない」とみなされる風潮がありましたが、今はそうでもなくなっているのでしょう。
また、「経済的に余裕がもてる」がやや増加、「生活上便利になる」がやや減少しているのも、共働きが当たり前になった時代の変化を表していますね。
女性が考える、結婚する理由・利点・メリット
次に女性編です。
まず、「結婚に利点あり」と回答した女性は全体の77.8%と、非常に高い数値をマークしています。1987年の調査では70.8%でしたが、2000年代に入ってから増加し続けているのは興味深いところです。
結婚の利点に対する考え(女性)
※画像引用元:第15回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要
女性の生涯未婚率が上昇していますが、逆に結婚にメリットを感じる女性も増えているのです。
女性が考える結婚のメリットは、多い順に以下のようになっています。
1位 | 子供や家族をもてる(49.8%) |
---|---|
2位 | 精神の安らぎの場が得られる(28.1%) |
3位 | 親や周囲の期待に応えられる(21.9%) |
4位 | 経済的に余裕がもてる(20.4%) |
5位 | 愛情を感じている人と暮らせる(14.0%) |
6位 | 社会的信用や対等な関係が得られる(7.0%) |
7位 | 親から独立できる (6.7%) |
8位 | 生活上便利になる (2.6%) |
9位 | 性的な充足が得られる(0.2%) |
※2つまで回答可
ダントツの第1位は「子供や家族をもてる」
女性も男性と同じく、一番多かったのは「子供や家族をもてる」という回答です。男性は35.8%でしたが、女性では約半数の人がこの回答を選んでいます。
各回の推移を見ますと、過去最高の数値です。
※画像引用元:第15回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要
以前までは、2位の「精神的な安らぎの場が得られる」とほぼ変わらない数値でしたが、最近は「精神的な安らぎの場が得られる」と回答する女性が減少に転じ、一方で「子供や家族をもてる」と回答する女性が増加していることがわかります。
これはおそらく、女性の初婚年齢が上がったことで「結婚に対して甘い夢を描く女性は減り、理性的にメリットを感じる女性が増えた」ということではないかと思われます。
「経済的に余裕がもてる」は、初の20%超えに
第3位は、男性と同じく「親や周囲の期待に応えられる」という回答です。やはり、結婚のプレッシャーをかけられている女性が多い状況がうかがえますね。
そして、第4位は「経済的に余裕がもてる」ですが、各回の推移を見ても一目瞭然のように、回を追うごとに回答する女性が増えています。最新の2015年の調査では、初の20%超えとなりました。やはりそれだけ、経済的な不安を抱える女性が増えている、ということなのでしょう。
キャリアウーマンが増えたと言われますが、バリバリ稼いでいるのは全体の中のほんの一部の女性であり、特に若い層には貧困が拡大しているといわれます。「自分一人でずっと生きていく自信がないから、結婚したい」と考える女性が増えているのもムリはないですね。
「好きな人と暮らしたい女性」は明らかに減っている!?
一方、「愛情を感じている人と暮らせる」と回答する女性は明らかな減少傾向にあり、2015年の調査ではわずか14.0%でした。「好きな人と一緒に暮らせるから結婚したい!」と思う女性が多いのかと思いきや、意外とそうでもないようです。
これも、女性の初婚年齢が上がり、結婚に対してシビアになったことで、より理性的に結婚のメリットを考えるようになったことが一因なのかもしれません。
「独身のほうが利点あり」と思う男女も増えている
結婚のメリットに関する調査結果をご紹介してきましたが、逆に「独身のメリット」を感じている男女も多いようです。
※画像引用元:第15回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要
「今の自分にとって独身生活は利点があると思う」と回答している人は、男性で83.5%、女性で88.7%と、非常に高い数値をマークしています。
独身でいることの具体的な利点は、多い順に以下の通りです。
独身でいる利点 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
行動や生き方が自由 | 69.7% | 75.5% |
家族扶養の責任がなく気楽 | 26.7% | 19.8% |
金銭的に裕福 | 25.2% | 16.2% |
広い友人関係を保ちやすい | 17.3% | 25.8% |
異性との交際が自由 | 7.2% | 4.9% |
住環境の選択肢が広い | 6.3% | 6.0% |
現在の家族との関係が保てる | 3.4% | 10.6% |
職業をもち社会との関係が保てる | 2.8% | 9.8% |
※2つまで回答可
男女とも、独身でいることの最大のメリットは「行動や生き方が自由」であることでした。特に女性では75.5%という高さであることから、「結婚したら制限が多くなる」と考えている女性が多いことがわかります。
また、特に男性では「家族扶養の責任がなく気楽」「金銭的に裕福」と回答する人が多いことから、「結婚したら自分で稼いだお金を自由に使えなくなる」と考える男性が多いこともうかがえます。
ただ、これらの結果は1987年の第9回調査時とあまり変わっていないため、「結婚すると何かと不自由になる」という思いは、昔から多くの独身男女が根強く持っているようです。
特に男性並みに働いている女性の中には、「逆になんで結婚しないといけないの?」と怒りを覚えている人もいらっしゃいます。

それでも、昔は周りからのプレッシャーや、「もうこの歳になったら身を固めないといけない」という意識が今よりも強かったため、まさに「年貢の納め時」という感じで結婚する人が多かったのでしょう。
しかし、生き方がより多様化した現代では、「ムリしてまで独身を卒業しなくてもいいや」と考える人が増えているのではないかと思われます。

「子供のいる家庭を築く」選択は、後からではできない!
「このまま独身でもいいや」と考えている男女も多いと思いますが、一つだけ気をつけてほしいのは、少なくとも「子供をもつ選択にはリミットがある」ということです。

身体的に産める時期が限られている女性はもちろんですが、男性も子供を産める年齢の女性といつまででも結婚できるわけではありません。また、子供の養育に必要なお金や体力のことを考えても、やはりある程度若い時期じゃないと厳しいでしょう。
つまり「自分の子供をもつ」という生き方は、ずっと後から選択するのは難しいということです。とてもシビアですが、それが現実なのですね。
上でもご紹介したように、多くの男女が「子供や家族をもてる」ことを、結婚する一番のメリットとして挙げています。そのメリットを享受できる年齢には限りがありますので、ぜひ手遅れにならないうちに婚活を開始することをおすすめします。
